管用テーパねじゲージ R とは?
管用(くだよう)ねじの中で、ねじ部の耐密性を目的とするねじです。GねじやPFねじのようにねじ部分がストレートではなく、奥に行くほど細くなっている、または、手前側ほど広くなっているといったようなテーパ形状をしています。
この管用テーパねじも、国際規格であるISOの管用テーパねじと技術的な内容が変わらないように作成されたJISの規格です。
記号は「R」を使いますが、テーパめねじには「Rc」という記号を使います。 この他に、もう一種類あります。それは、管用平行めねじ「Rp」というものです。“平行めねじ”なのですが、GねじやPFねじの規格ではなく、この管用テーパねじの規格に載っています。
管用テーパねじゲージ R
めねじ「Rc」に対して使用するゲージは、テーパねじプラグゲージRcです。おねじ「R」に対してはテーパねじリングゲージRを使用します。
さらに、管用平行めねじ「Rp」に対するゲージは、管用テーパねじプラグゲージRcを使います。平行めねじに対して、テーパねじプラグで検査をする、という珍しい組み合わせです。
弊社では、Rp用としてご注文があった場合は、ゲージもRpという刻字にしてお納めしています。
寸法検査対象製品
管用テーパねじゲージ R ISO方式 JIS B0253 耐密性を必要とする結合を主目的とするねじ(R,RC及び RP)
管用テーパねじゲージ R 検査方法
テーパねじとは、めねじの場合、入り口から奥に行くにつれてだんだん細くなっていきます。したがいまして、ねじプラグゲージを入れると、必ずどこかで止ります。通り抜けるということがありません。同様に、おねじの場合は、手前側から奥に行くにつれてだんだん太くなっていきます。ねじリングゲージを通そうと思っても、途中で止まってしまいます。 そこで、テーパねじの検査は、めねじやおねじに対し、ねじゲージがどこまで入るか、で判定します。同じ意味ですが、表現を変えると、ねじゲージがどこで止まったか、によって判定します。
管用テーパおねじ R の検査
管用テーパねじリングゲージの段が付いていない側へ、おねじの先端を入れます。止ったところで、おねじの先端がどこにあるかを見ます。管用テーパねじリングゲージの段のことを切欠きと呼びますが、切欠きの間におねじの先端が来ていれば合格です。切欠きに届かない場合や、切欠きよりも飛び出してしまうときは不合格です。
検査項目 | 管用テーパおねじ R の検査 |
使用ゲージ | 管用テーパねじリングゲージ R |
判定方法 | テーパねじリングゲージの最小限界位置(外側の切り欠き)と最大限界位置(内側の切り欠き)の間に管の末端があれば合格。
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管用テーパめねじ RC の検査
管用テーパねじプラグゲージには、ハンドルに近い箇所に切欠きが付いています。先端からめねじに入れていき、めねじの端面が切欠きのどこで止まったかで判定します。切欠きの間でめねじの端面が止っていれば合格です。切欠きに届かない場合や、切欠きよりも入りすぎてしまうときは不合格です。
検査項目 | 管用テーパめねじ RC の検査 |
使用ゲージ | 管用テーパねじプラグゲージ RC |
判定方法 | テーパねじプラグゲージの最小限界位置(先端に近いほうの切り欠き)と最大限界位置(ハンドルに近いほうの切り欠き)の間に管の末端があれば合格。
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管用平行めねじ RP の検査
管側が平行めねじの場合の検査方法です。
検査項目 | 管用平行めねじ RP の検査 |
使用ゲージ | 管用テーパねじプラグゲージ RC |
判定方法 | テーパねじプラグゲージの最小限界位置(先端に近いほうの切り欠き)と最大限界位置(ハンドルに近いほうの切り欠き)の間に管の末端があれば合格。
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管用テーパねじゲージ R 品番の見方
管用テーパねじゲージ R 用点検ゲージ
製品検査を繰り返しているうちに、ねじゲージも摩耗していきます。製品検査を確かなものにするためには、定期的な点検が必要になります。点検用ゲージでチェックしましょう。
検査項目 | テーパねじリングゲージ:R の点検 |
使用ゲージ | テーパねじリングゲージ用点検プラグゲージ:CP |
判定方法 | テーパねじリングゲージ用点検プラグゲージ:CPの基準切欠きとテーバね じリングゲージの最大限界位置とのずれを測定 し、規定内にあれば合格。
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検査項目 | 管用テーパねじプラグゲージ:RC の点検 |
使用ゲージ | なし |
判定方法 | ※ ねじプラグゲージの場合は計測して行います。 |